【ランニングを科学する】Power Meterを用いたトレーニング法の紹介
効率的なトレーニングに向けて
蒸し暑い季節になってきました。
継続してトレーニングされている方にとっても、この季節だけは走ることに背を向けたくなるなんて言葉もちらほら。。。
こんなときこそ効率的にトレーニングできたら。誰もが考えますよね。
で、おススメしたいのがPower Meterを用いたランニング。
Power Materとは
メーカーサイトはこちら Stryd.com
PowerMeterというと大掛かりな器具かなにかを想像しがちですが、こんな小さなフットポッドがPowerMeterです。
シューレースに挟んで固定しランニングすれば計測してくれます。このPowerMeterには加速度センサーが内蔵されていて、その測定値から、ランニング時の速度(ペース)やケイデンス(毎分の歩数)、着地時間、上下動などが求められます。
最新版になって風の影響も結果に反映させる仕様になりました。
(簡単に言うと、向かい風のときと追い風のときで同じペースで走っていても、向かい風の時の方がトレーニング効果が高くなる)
PowerMeterで何がわかる?
一般的に坂道ダッシュやインターバルトレーニングのような心肺負荷の高くなるトレーニングを積むと効率的にランニングのパフォーマンスも向上させられると言われたりしています。
一方で、一生懸命坂道ダッシュをしたのに、Garmin計測でのトレーニング効果が低かったとか、マラソンなどの能力指標と言われるVO2Max値が下がったとかいう経験はありませんか?
私も何度か経験しています。
『効果が低い』と言われたり、『VO2Maxが下がった』と言われたり。。。
そんな時坂道ダッシュって意味あるの?ってなりますよね。
『坂道コースを走ると効率的にトレーニングが積めるのか?』
検証も兼ねて実際に装着して走ってみました。
坂道の往復コースと平坦な河川敷コースで同じくらいの距離を走った時の比較になります。
坂道コースの高低差図はこちら
河川敷コースの高低差図はこちら
見ただけでコースの違いは分かってもらえたかと思います。
続いて、走っているときのペースの推移
まずは、坂道コース
そして、河川敷コース
坂道コースでは当然ながら登りと下りでペースが変化しますが、河川敷コースではほぼ一定になるように走りました。
次は、ランニング時のPowerの値になります。簡単に言うと自分の体を前進させるためにどれだけエネルギーを使っているか。
坂道コース
河川敷コース
こちらも両コースの違いは明確。坂道の登りでエネルギー消費は高くなり、下りは少なくなってます。河川敷コースではペースがほぼ一定なのでほぼ一定です。
見た目にこれほど違うコースやトレーニング内容でありながら、Garminで計測したトレーニング効果を比較すると
左:坂道コース 右:河川敷コース
有酸素運動としても差はなく、無酸素運動に差がありますとなります。
また、継続したトレーニング効果としての指標としてVO2Max値を使われている方も多いかと思いますが、
左:坂道コース 右:河川敷コース
坂道を必死に走って、『アンプロダクティブ』トレーニング効果は低かったと言われるとモチベーションも下がりますよね。
ですが、Power計測に基づいて算出した効果では
RSSというのがランニング負荷の指標ですが、坂道コースの方が1.5倍弱の負荷がかけられたことになります。RSSというのは上で示したPowerのグラフの積分値のようなものなので、短い時間でも高いPowerとなるトレーニングが積めれば高い数値になります。
一方、一番下のPowerの値は今回のトレーニング全体の平均値なので下り坂などの負荷が少ないところもあるため坂道コースの方が少し低くなりました。
Garminのトレーニング効果
結局のところ、Garminのトレーニング効果やVO2Max値は、1回のトレーニング全体の平均値から算出しているように思われます。
ペースの上げ下げをする坂道ダッシュやインターバルトレーニングなどは、つなぎジョグなどペースの遅い部分も含まれるため結果的にトレーニング効果などが低く出てしまうこともあるというのが現状の私なりの解釈です。
効率的なトレーニング実現のために
今回、私が日々のランニングに取り入れているPower Meter計測によるランニング解析を紹介しました。日頃、多くの方が距離とペースを目安に走られているかと思いますが、夏場などはどちらも低下しがち。そんな数値でモチベーションを落として、更にトレーニングに身が入らないといった悪循環に陥らないために、今回紹介したPowerMeterのようなトレーニング結果を解析できるツールを導入してみるのはいかがでしょうか。