【ランニングを科学する】Stryd Power Meterの使い方
効率的なトレーニングのために
効率的なトレーニングのためのツールとしてStryd社が発売しているPowerMeterを紹介しました。
【ランニングを科学する】PowerMeterを用いたトレーニング法の紹介
距離や走行時間はほぼ同じだけれども、中身の異なる自分のトレーニングを比較し、その結果を私自身が実感したように表せる指標としてPowerMeterで計測したRSSという数値を使うと合っていたいうものです。
適切に評価できる手法の探索
マラソンで記録を狙ってトレーニングを積んでいる方なら誰しも感じたことがあると思いますが、トレーニングを積んでいけば順調に記録が伸びていくわけではなく停滞する時期があったりもします。そんな時に限ってオーバーワークが祟りケガをしてトレーニングが継続できなくなることもあったり。
そんな試行錯誤が楽しいという人もいるのかもしれませんが、できれば、ケガすることなく、効率的にトレーニングを積んで記録を伸ばしていきたいですよね。
そんなことからトレーニング効果を適切に評価する手段や指標を探していたんです。
Strydで分かること
上記のリンク記事では、PowerMeterで計測できる値を元にStrydって何ができるのかをわかりやすく説明してみたのですが、Strydのサイトでは活用法などが書かれています。
Stryd PowerMeterの使い方
StrydのPowerMeterは、モーションセンサーを内蔵していて片足に取り付けてランニングすると、その足の動きを記録するわけです。
他のセンサーの場合、携帯したスマホのアプリを起動して走り、計測データをスマホに取り込むようなものもありますが、このStryd PowerMeterはランニング時にスマホを携帯したりアプリを起動する必要はありません。いわゆるStrydと連携させたGPSwatch(Apple WatchやGarmin Watchなど)を身に着け、起動していればOKです。
Stryd PowerMeterを使っていくと
個々のトレーニング内容については上記リンク記事を参照いただき、StrydのPowerMeterを使ってトレーニングを続けると何がわかるかについて触れていきたいと思います。
PowerMeterを購入後、Strydのサイトに会員登録するとWeb上でトレーニング内容が管理できます。
MyTraining
日々のトレーニングの推移は、MyTrainingというグラフで示されます。
横軸は日にちで縦軸はRSSです。RSSはトレーニング負荷の指標でトレーニングを
継続することで求められるPowerの閾値(CP:Critical Point)に対する相対値になります。前述した記事でも触れましたが、Powerはワット(仕事量)なので単位時間当たりのエネルギー量ですから、RSSは負荷の高いトレーニングを行うとRSSが大きくなる傾向にあるのは当然ですが、単位時間で積分された数値ですから長時間のトレーニングほどRSSは大きくなっていきます。また、このグラフの白癬は42日間のRSSの平均値の推移になります。
Power Duration Curve
こちらは、継続時間に対するPowerの推移を示していて、この結果からランニング能力を示す4つの要素を求めています。
坂道ダッシュのように短距離を全速力でダッシュすると短時間で高いPowerを必要とするので、横軸左側の値が高くなり、LSDのようなペースはゆっくり(低いPower)で長時間のトレーニングは右側に示されるので右肩下がりのグラフになります。
様々な時間当たりの負荷の違うトレーニングを積んでいくと、4つの指標が示されます。
- Fitness(CPと一致、種々の指標算出の基準)
- Muscle Power(10秒間で発揮される最大Power)
- Fatigue Resistance(CPの88%のPowerでマラソンなどレースペースの指標)
- Endurance(CPの50%のPowerで長距離走る能力を見る指標)
このことからCPを求めるために短距離のダッシュからLSDまでの様々なトレーニング結果を参照しているようです。そして、マラソンペースはCPの88%と算出していることから、マラソンの記録を早くしたいと思うと、様々なトレーニングを積んでCPを上げていく必要があるということが分かります。
RSB(Running Stress Balance)
トレーニングを続けているとRSBという数値が示されます。これは、最近のトレーニングの負荷の変動傾向を示しています。
RSBは短期間(7日間)のRSSの平均値と長期間(42日間)のRSSの平均値との差から求められます。グラフが上に行く(プラスの数値が大きい)ほど最近のトレーニング負荷が低くなっていて、下に行く(マイナスの数値が大きくなる)ほど最近、負荷の高いトレーニングを積んでいるということになります。
ですので、この数値の変動をみながら負荷調整すれば効果の高いトレーニングを積むことができるようになるというものです。
レース後はしばらく休息から低負荷とし、休息が十分取れたら、負荷を徐々に上げていき、レース前にまた負荷を下げていく。
これをRSBの数値で管理していけばよいということになります。
また、負荷を高める時期においても、RSBを上げすぎるとケガをしてしまうので、適度な負荷に調整するためにも有効な指標かと思います。
Strydのサイトでは、RSBの数値範囲で
- -45~-40 やりすぎ
- -40~-25 ケガに注意
- -25~-10 負荷を積めている。適度な低負荷トレーニングも組み合わせる
- -10~+5 調整期間から回復期間
- +5~+25 低負荷期間が継続しているので適度なトレーニングを行う
にあるといっています。
トレーニングを科学してみたいあなた!
ご参考にお試しください。